大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和53(あ)1760 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの上告趣意は、量刑不当の主張であつて刑訴法四〇五条の上告理由にあ

たらない。

被告人らの弁護人三上宏明、同兼田俊男、同弘中惇一郎連名の上告趣意第一点に

ついて

爆発物取締罰則自体の所論形式的無効(憲法三一条、七三条六号違反)をいう点

は、同罰則が現行憲法施行後の今日においてもなお法律としての効力を保有してい

るものであることは、当裁判所の判例とするところであるから(最高裁昭和二三年

(れ)第一一四〇号同二四年四月六日大法廷判決・刑集三巻四号四五六頁、同三二

年(あ)第三〇九号同三四年七月三日第二小法廷判決・刑集一三巻七号一〇七五頁

参照)、理由がない。

同罰則自体の所論実質的無効の論旨のうち、憲法三一条、三六条違反をいう点は、

同罰則の定める刑が残虐な刑罰むいえないのみならず、同罰則所定の行為に対し所

定のような法定刑を定めることは、立法政策の問題であつて憲法適否の問題でない

ことは、当裁判所の判例の趣旨とするところであるから(昭和二二年(れ)第三二

三号同二三年六月二三日大法廷判決・刑集二巻七号七七七頁、同二三年(れ)第一

〇三三号同年一二月一五日大法廷判決・刑集二巻一三号一七八三頁、同四六年(あ)

第二一七九号同四七年三月九日第一小法廷判決・刑集二六巻二号一五一頁参照)、

理由がなく、憲法一九条、三一条違反をいう点は、同罰則にいう「治安ヲ妨ケ」る

の概念があいまい不明確なものとはいえず、また、同罰則は同罰則の各条項に定め

る行為をした者を処罰するものであつて思想、信条自体を処罰しょうとするもので

ほないから、前提を欠き、適法な上告理由にあたらない。

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同罰則四条の所論実質的無効(憲法一九条、三一条、三六条違反)をいう点は、

同条所定の行為に対し所定のような法定刑を定めることは立法政策の問題であつて

憲法適否の問題でなく、同条の構成要件なかんずく共謀の概念があいまい不明確な

ものといえず、また、同条はそこに定める行為をした者を処罰するものであつて思

想、信条自体を処罰しようとするものではないから、前提を欠き、適法な上告理由

にあたらない。

同第二点ないし同第五点について

所論のうち、違憲(憲法三一条、三三条、三四条、三五条違反)をいう点は、記

録によれば、本件逮捕、捜索、差押の各手続に違法はないとした原判決の判断は正

当であるから、前提を欠き、判例違反をいう点は、原判決はなんら所論引用の判例

と相反する法律判断をしているものではないから、理由がない。

同第六点について

所論は、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

同第七点について

所論は、量刑不当の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す

る。

昭和五五年四月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 環 昌 一

裁判官 横 井 大 三

裁判官 伊 藤 正 己

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